MEKE3コラム
2020.05.11
インクに対する純粋な疑問
濃色綿用、濃色ポリエステル用の前処理剤を開発する過程で、純粋な疑問を感じた。Tシャツの素材が変わっても、シロ顔料が下引きとなり、カラーインクがその上に塗布される事には変わりなく、出力モードも素材別の設定がない。となると、白インクだけに着目すれば、素材により前処理剤を変える必要が無いのではないか?
綿濃色用の前処理剤がそこそこ完成した段階で、濃色ポリエステに使用してみると、沈み込んで全くプリント表現できない。何度か試作を繰り返すが、上手く表現できない。通常のシルクスクリーンプリントで使用する白インクでは、綿もポリエステルも変わりがない。ん?なるほど、大きな違いは粘性にある事に気づく!シルクプリントの白インクは8000cps以上の粘性で生地表面に上乗せするようにプリントする、場合により2度回りする場合もある。すなわち、粘性の無い白インクをシルクプリントより少ない量で、生地表面に浸透させながら上乗せさせる前処理剤が良いと言うことが解った。そうなれば、素材により浸透性は変わるので、前処理剤も変える必要があると判断できた。次は、薬品の配合を色々試作しながら、浸透性を見てみるとにした。その過程で、開発目的外ではあるが、面白い物もできた。次回はその物と浸透性について。