MEKE3コラム

2020.12.30

シルクを使った前処理方法

今、新しく取り組んでいるガーメントプリンター関係も今まで培ってきた開発の感覚で進めていますが、成約がないので、ゆっくりと自由にできます。5年前に開発した、ポリエステル淡色用前処理剤、綿濃色用前処理剤、ポリエステル濃色用前処理剤については、浸透性の範囲とインク自身の定着力を利用し前処理剤との結合力を高め、他社品と比較しクオリティーに満足できる剤が完成しました。自社で1年ほど加工に使用して、問題の無いことや物性、堅牢性を確認し販売することにしました。

3年ほど前に、プリント品位の安定性に、少し疑問が生じました。プリント前に見極めれば問題のない範囲の事柄ですが、スプレーやローラーでの前処理方法でムラができ、プレスで毛羽の押さえられる部分にも不均一な状態が発生しました。原因は、製品のロットや色により、薬品の浸透性が違う、又、表面の毛羽も個体により違うなどが考えられました。そこで、シルク版を使った前処理ができたら、浸透性や毛羽に関係なく生地表面に均一に塗布できると考えました。プリント適性やシルク用に調液するのに少し時間がかかりましたが、程なく完成し加工してみると、製品の不安定な品位に関係なく、ガーメントの実力がそのまま美しく表現できる前処理剤が完成しました。加工を進めていくと、この前処理剤は他にも良い点が色々と出てきました。
・プリント部分の最小範囲で前処理できる。
・板と版とスキージがあれば、加工できるのでコストが掛からない。
・製品のセッティングからスキージで前処理剤を塗布するまで、短時間で仕上がる。
・プリント台が多数あれば、連続で一気に前処理ができる。
・前処理剤を放置しても殆ど目詰まりしない。
・裏抜けが無い、決めた場所に前処理できるので、製品を汚さない。
・最小限度の塗布量で済むので、前処理跡が目立たない。
・生地への定着がないので、洗うこと簡単に落ちる。
・最小範囲、最小量で済むのでコスト削減になる。
など、コストや作業効率、熟練性を必要としない事から、3年前より当社の綿濃色に対する前処理は、このコットンペーストを使用しています。

ペースト作業動画

 

しかし、今年に入って、もっとより良いものができないか?と、思うようになりました。そのきっかけは・・・