MEKE3コラム
2022.02.03
「シロWB」ホワイトボディ用(無黄変タイプ)の開発
「シロWB」ホワイトボディ用(無黄変タイプ)の開発
最近ではアパレルメーカーもガーメントプリンター でプリントした商品の販売が定番化し、一般消費者もインクジェットプリントのTシャツなどの商品も購入する機会が増えてきたように思います。ガーメントプリンター の認知度も高くなりオリジナルTシャツの受注現場でも「インクジェットプリントで」という注文が多くなってきました、認知度が高くなると同時にガーメントプリントのクオリティーを求める声も多くなり、白インクを使わない淡色プリントと白インクを使う濃色プリントの発色の違いを指摘されることも増えてきました。
弊社が運営しているオリジナルTシャツのショップでも白Tシャツに白インクを使う濃色プリントの受注が多くなってきています。
白Tシャツに白インクを使う濃色プリントの問題点
ガーメントプリンター 前処理剤(メーカー純正品も含む)は単に白Tシャツに前処理を施し濃色プリントをすればいいというわけではありません。問題となるのは白Tシャツの変色です、加工時に発覚する熱黄変もその一つですがプレス機の温度を下げるなど対策し回避できます、しかし1番の問題点はあまり知られていない前処理剤の太陽光による黄変です、この黄変の問題点は発覚が納品後になるケースが多いうえ、黄変後は洗濯などでも元に戻らない事です。
例えばお客様に納品後、洗濯せずそのまま野外で着用された場合・納品後のお客様がおしゃれ着洗濯など優しく洗い前処理液が残ってる状態で天日干しした場合にも黄変しはじめます。アパレルメーカーの受注などで店頭で陳列してる時にも黄変しはじめます。
弊社では白ボディーに濃色プリントした場合は洗い行程を行います。
ホワイトボディ用(無黄変タイプ)の開発と試験
高まる需要の中、洗濯不要・無黄変タイプの前処理剤を開発いたしました。
現状では白インクを使うと発色が若干鈍りますが、白インクを使わないでも濃色プリントと同等の発色と風合いになるよう調合し洗濯物性も良好な商品に仕上がっています。
Tシャツの上下で未加工と加工部分に分けプリントしています。
拡大写真。発色・細部の表現も格段にアップ!
OGBSオーダーグッツビジネスショー2022に出展しご来場いただいた日頃プリンター をお使いのお客様に実際に見ていただきましたが、白インクを使用していない事を伝えると皆様驚いていただいたので、かなりクオリティーの高い表現であると自信を持っています。
黄変の確認試験
黄変しない薬品をいちからピックアップし調合、今までとは違う発想で開発を進めてきた前処理剤なので黄変はしないはずですが、天日に当てて試験をしました。
まずはじめに左右別々の前処理剤を塗布します、その時交じり合わないようにしっかりとマスキングします。
向かって左がブラザー純正の前処理剤、向かって右が「シロWB」です
ペーパーと板でしっかり分けて前処理を噴霧
左右それぞれ前処理した後、熱の履歴が同じになるように同時にプレスします、プリント後のプレスも同様にしています。
150度で1分のプレス感想です
納品後そのまま野外活動したと想定し1日(おおよそ7時間)ほど天日干ししました。
太陽に当ててます(2022年1月20日)
結果は、やはり従来の前処理剤は黄変したが、新しい前処理剤の「シロWB」は黄変しませんでした。
写真では分かりにくいですが真ん中から左はしっかり黄色く変色しています。
その後の追加試験でも黄変は見られませんでした。
シロWB今後の流れ
「シロWB」は来週よりサンプルの発送(サンプル請求フォームを作成します)・商品の販売を進めていきます
シロWB今後の改良点
- ・ブラザーでの淡色プリントでの表現は格段にアップしますが、エプソンの場合は柄によっては、わかりにくいものもある。
- ・白インクを使った場合発色が若干鈍る。
- ・エプソンでは白インクを使う事ができない。
- ・塗布量を増やすと白インク上でカラーがおよぐ。
エプソンのプリントサンプル
生地によるプリントのイラつきが無くフラットで綺麗になっていますが、ブラザーほどの変化はないです。摩耗や摩擦による耐久性は格段に良くなります。
白インクを使ったプリントサンプル
左がブラザー純正、右が「シロWB」です
合格の範囲内だと思いますが、やはり発色は少し悪いです。ご判断下さい。
準備でき次第トップページにサンプル請求フォームを追加いたします。